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水とタバコ

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それはこころか


名作でした。

泣きました、とか書くといかにも陳腐がすぎる気がしてあんまり、このましくないと思いつつ。でも泣きました。泣きながら読みました。

ここ数日寝込んでいて身動きがとれず、5日間ほどお休み頂いてたんですが、らくになってきたのをよいことに実家の漫画をもくもくと読んでました。前半はちょっと足掻いてもみて、でもどうにもならんと後半はもう諦めて。
よるくも。数年前に第一~第三集を読んでいたのですが、いつの間にか実家に最終集の第五集まで揃っていて、この際だからとまた最初から読み直した。途中何度も閉じては開き開いては閉じ…とくりかえしながらでも面白くて没頭した。読み終えるのがしんそこ惜しかった。読後のなんともゆえない虚脱感、ひさびさ。全部読むのに2000kcalくらい消費しそう。

機能不全の愛、という煽りが若干、大げさ?と思いきや、第三集までちゃんと読んでその意味をようやく理解した。なるほど!と膝を叩きたいきぶん。でも理解したと同時にかなしくてやっぱり泣けた。
機能不全の愛 って、
要するに共依存関係、互いに互いを欲して欲して欲してなりたつもので、キヨコも小辰も王子も百もおんなじだな。っていうか出てくる人らみんなか。王子と百、キヨコとキヨコの母ちゃん、キヨコと小辰、小辰と中田、中田と王子、王子と王様、エトセトラ・エトセトラ。私が衝撃を受けたのはその依存のかたちをあまりに生々しく描いていたからです。途中で何度もほんとうに気持ちが悪くなった。せつなくてたまらなかった。

漫画でも映画でも小説でも、飯を食う という描写がとてもとてもすきです。飯を食うって生きてるってことで、生きてゆくってことで、誰かの何かの命を一つ潰して自分にするってことだ。それは命をつづけてゆく覚悟ともいえる。(品数とかの意味ではなく)充足した食卓って愛を食らうことそのもの。食事は愛情の具現。私自身が食べることをあまり得意としていないから、願望なのだと思う。


まあ、あれこれ書いちゃいましたがすっげー面白かった!ってことです。
よるくも。おすすめです。おすすめついでにあまぞんリンク貼っちゃう。誰か読んでください。
よるくも・1 / 漆原ミチ


あと、聖お兄さんの10巻。面白すぎた。8巻くらいから読んでなかったんだよなー…知らない人が出てきて浦島太郎になってしまった。ど、どちらさま……
それからミスミソウ(完全版・上下巻)も読みました。読みましたが、これは、病中に読むものじゃないな…というのが正直な感想。面白かったけど。面白かったけど、ものすごい気分になりました。吐きそう。この人(作者)は何か人間に恨みでもあるんだろか…ってくらい、ありとあらゆる狂気をこれでもかこれでもかと放りこんでぐつぐつ煮こんで壺に入れてじっくり発酵させた感。すごい。
人間を観察していくと底はああなのかなあとか、あの病んでゆく感じがわからなくもなくて私も人間だなあとか、雪がざんざん降って孤立していくあの感じは紙の上のものでもやっぱり恐怖だなあとか。

わー、めっちゃ久々にこんなにじっくり漫画読んだ気がする…!ついでにこんなにだらだらしたのも久しぶりだ…だらだら…横になって…漫画読んで……
あんまり休みすぎるとほんとうにもう働けなくなりそうで怖いからさっさと出勤したかったんだけど、さいきん休めてなかったしまあいいか…日曜日にでもブックオフ行こう

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こうしん

にんたまサイトのほうを改装・すこしだけ整理整頓して、新しいものを置いてみました。ブログも新しく作ろうかしらんと思いましたが、いや、やめておこう……
twitterもだけど垢わけるのって向いてないらしく、若干みにくいとは思いつつ…
ここをあっちとこっち共通のメモとさせていただきます。まあ、まず、しばらくは。


何だかんだゆってわりに色々書いてますね私。今は土井きりがすごく読みたいし書きたい…!性的でもいいぞ!

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忘れないよ、忘れないよ

私が他人にいう言葉のいちいちは、
どれもこれも私が他人からいわれたかったことばに過ぎないのだなあと思う。

優しさだけじゃやっぱり、人は愛せないようです
ロックンロールはただしいようです
 慰めて あげられない
優しさ って現実を突きつけるものだし、現実は、そう甘くもないしそんなにすてきじゃないよ
だからなんか、何もできなくてごめんって厳しいようなそれらしいようなことを言うほかないよ


春が恋しい

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なんか

なんか書きたいなああ、と思って、まぁた懲りずに色々を書いてます。
むかしみてたサイトさんの跡地を行ったり来たりして、いいな、いいな、みんないいなあああ私も混ぜろおおお
春からずっとネグレクトしていたぬんたまサイトを、こないだちょこっと弄ってみたんですね。2007年に創った私のいちばん古いサイト。ああ…なつかしい……とか思っちゃう自分が厭です。腐った女みたいのになった(なってる)

書いて、何かしらできたらこっちに載せようかなとか、
むしろあっちのをこっちに引っ張ってきて、またよろずサイト化しちゃおうかなとか、
考えてます。
pixivだけでもいいんだろうけど、なんだかどうにも未だに馴れなくて、
やっぱりサイトってかたちが私にはいちばん合ってるみたいです。まとめておきたい…っていう……
引っ張ってくるったってほんとうに、ごく一部のものしか今もう見れないけど恥ずかしくて。

なんだかごっちゃごちゃしててすみません。私の頭もごっちゃごちゃしてます。どーしよっかなあああ でも、
すきなものがないと人間だめになるんだなあってここ数箇月で思ったほんとに思った。そして私のすきなものって、すきなものっていったい何なんだろうって、何をほんとにすきだったんだろうってそれがよくわからなくなってきてもいた。
書く書くゆっときながら何もできなかったりして…さいきんほんとむらがある……。
前々から薄っすら思ってはいたんですが、私は書くことがすきで、というか、むかしはそれしか発散方法がなく、そういうことでしか周りとコミュニケーションが取れずにいて、今もうそんなことないだろって思ってたけどやっぱりだめで、いいとしをして、まだこういう場所が必要みたいです。


ぴっくしぶで大塚周夫さん追悼の、山田先生のイラストを拝見して、泣いてしまった。亡くなったんだなあ、というのをようやく理解した。あんまり詳しいことを知らないので何もゆえないけれど、忍者のたまごのサイトを弄った直後にその訃報で、すこし動揺してしまった。
今までありがとうございました。85歳。すごいなあ。



山田先生、そういえばあの人は中々家に帰れず、長期休暇のたび奥さんと利吉さんになじられるっていう基本設定があったなあってことを思いだした。対して土井先生はおひとりさま。おひとりさまの土井先生をお正月に家に招くっていうお話を読み、とてもとても感動した。ああそういえば…土井先生っておひとりさまだ……孤独な人だ……って思うとなんかもう、なんか、……うまくゆえない。
忍者ハマりたての頃、私はさんじろたんばかり書いてたのであんまり考えなかった土井先生のことをやけにじっくり考えてしまい、
あっっ この人さびしいかわいそう可愛い、って、思っ てしまっ た


ここにきてまさかの土井先生。

どっ どどどどうしよう可愛い。かっこよくて可愛くてさびしくてかわいそうで可愛い。
現パラで、きりちゃんと一緒に暮らすことになって、
高校教師である土井先生には生活力があまりなく(基本装備:スウェット(もちろん灰色)の上下、煙草、寝癖頭、店屋物のお惣菜かコンビニ弁当)、
生活力あふるるきりちゃんにぐいぐい引っ張られながらの日常がはじまるっていう、
そんなお話を書いてたことがあります。
土井先生ときりちゃんは、父と娘(息子ではなく)のイメージが強くて、
その関係に恋は挟まないしいたって健全でありそれ以外のものは、あまり重要ではなく、
とかそういう夢をみていました。
でも土井きりもすきだし土井利もすきでした。土井利、ってか土井先生に焦がれてる利吉さんが。


は組・文伊・タカくく綾が私のにんたま青の時代マストバイであった……今もう下火なのかな どうなのかな っていうかあんだけにんたま盛り上がってたのに文伊ってすくねええ やっぱマイナーなの? どっちかつーと正統派だと思ってたんだけど?? あれっ ちがうのか???

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リメンバー・ユー

 きみはここにいるべきとおもう。

 PC(とてもとても古いモデル)の中で、くりかえしくりかえし流される映像と音の間隙に、きみが呟いたのを聞いた。ひどくちいさな声で、ささやくようなヴォリウムで、それはまるでひとりごとのようで僕は耳が痛くなった。原因不明の耳鳴りがもう、二ヶ月ほどつづいていて、くわえて肩凝りと頭痛もひどかった。音をやめて、と、朝日に満ちたへやの中で僕は懇願したけれど彼はそれに応じなかった。耳を僕にひらいていなかった。彼の瞳はPCの、あの四角い箱の中で動き回る彼と彼とに集中され、僕の存在など、ないようだったのだ。
 きみはここにいるべきと、ぼくはおもうよ。
 重いからだを引きずりながら淹れた渋いコーヒーをちびちびと飲む僕に、彼はまた、そう言った。
 右に左に動くふたつの影、薄暗いステージ、差したふたすじの光。スモッグ。熱と血脈とを音に感じる。
 動きをやめている人間などそこにはいなく、誰もが腕を振り頭を揺らし、音にまみれて音に抱かれていた。
 こういう場所でしか生きられない人間がいることを、僕も、彼も、彼も彼も、知っている。僕らは孤独で、けっしてわかりあうことなどできなかったけれど、こういう場所に集うことでそのなぐさめを互いにし合い、赦し、甘え、依存し、そうして社会の外れにかろうじてぶら下がる許可を得た。それで、“きみはここにいるべきと、ぼくはおもうよ。”なのだ。
 そうなんだろうと僕はおもう。たいして美味くもないコーヒーを唇に含ませるうち、映像が終わり、彼は再生ボタンをクリックする。最初に引き戻される映像。便利な世の中だ。
「世界中探したって、こんな人はもうどこにいないだろう」
 そうだねぇ、と僕はいう。へんに間延びした声で、けれどそこに切実さをこめて。
 彼がふりむく。がらんどうのような瞳に朝日が反射してその一瞬に、光が宿る。彼のその瞳を、僕はすきだなとおもう。その瞳がぼくに向けられることはまずないのだけれど、そうとわかってしまう自分の頭の冷静さを今は呪った。
「起きた?」
「起きた」
「なら、ぼくはねむるよ」
 そうして映像を残し、僕とはいれかわりに彼はベッドに横になる。今の今まで僕の寝ていた場所は、僕のかたちにへこんでいて、それは彼より幾分かおおきい。そのくぼみにすっぽりと入ってしまう彼のからだは、ひどく薄い。
 取り残されたへやで、リピート再生される映像ばかりがやかましく音を鳴らしつづけ、僕は漠然とひとりを感じる。彼の規則ただしい呼吸。その呼吸がまっとうであることを心細く感じる。いっそう止まるなり、不文律を奏でるなりをしてくれれば、僕はそれらしく介抱をしてやれるのだろうに、あいにくと彼はいたって健康体だ。
「きみはここにいるべきと、僕はおもうよ」
 彼を見、映像をながめ、僕は呟く。質量を増した光が僕を濡らす。リメンバー・ユー。つたない英語の発音を舌に載せ、僕はPCの蓋を閉じた。



 さいきんはハイロウズばかり聴いてます。

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