5/3、トーキョー Category:murmur Date:2017年05月05日 ビッグサイトに生まれて初めて行ったおたくの日記です。 5/3のスパコミは夢のような時間だった。直前まで行けるかどうか(仕事的な意味で)わからず、職場との悶着も収まらず、すったもんだあって精神はめちゃくちゃ、だったんだけど、4月の終わりにとうとつに休みが取れることになり、それからはもう、違う意味で気持ちがたいへん。 (ちょう)一方的に大すきなかたと会えるんだあ~という期待に夜もろくに眠れず、かといって消耗するわけでもなくむしろ信じられないほど元気に生活ができていたこと、体力のない私にとり驚くべきこと。そのくらい楽しみで楽しみで楽しみで、始発の新幹線で東京まで。ちなみに新幹線のチケットを買った時にはもう指定席は満席で自由席だったんだけど何ら問題はなかった。っていうか指定席か自由席かなんてどうでもよくないか? 這ってでも行くんだから。 前回行ったのは去年の2月のライヴの時だったから、一年ぶりくらいに東京に来た。五連休の初日、東京駅は人でごった返していて、すでに東京のにおいがした。人並みに揉まれながら改札を抜け、山手線のホームに出た。ビルとビルのあいまからうす曇りの空が見えた。東京の空。 おたくのくせに生まれて初めてビッグサイトに行った。これまで機会はあっても勇気がなく、赴くことができなかった。イベントは、行けて地元のイベントくらいだった。国際展示場駅で降りた時、否、りんかい線の電車の中からすでにイベントの気配が漂っていて、私はすでに圧倒されていた。右も左もみんな、何かしら書く人たちなんだ~と思うと、なんだかすごいような、信じられないような、そんな気持ち。 人人人の波に押されながら会場まで歩き、気持ちはすでに高揚していて、心臓は早鐘を打っていて、列に並んでからも落ち着かず30分ほど突っ立って開場を待った。10時になって動き始めた列にまた流されながら巨大な建物の中に入った。 ビッグサイトの内部に足を踏み入れたのもとうぜん初めてで、数秒間は入場したことにすら気づかなかった。ここはどこだみたいな気持ちで、それでもおぼつかない足取りでスペースに向かった。 闇金、っていうか柄丑のお話をたくさんして頂いた。 死ぬほどほしかったご本を手に取った時、思わずぎゅっと抱きしめたくなった。実際、ご本を入れたトートバッグをその後だいじにだいじに抱きしめながら自宅にお持ち帰りした。 終電で家に帰ったら、朝と何も変わらない状態ですべてがそこにあって、何だか不思議な気持ちで、化粧を落として布団にもぐりこんだ。17時間で人はこれだけのことができるのかと思った。何も変わらない、何も変わっていない、台所のコンロに置きっぱなしのフライパンも流しに洗い上げていた片手鍋も。さっきまでトーキョーにいたのに、不思議。 寝て起きたら朝になっていて、それでもテーブルの上にはきのうの残り香、ご本と頂いたお菓子たち。テレビもコンポも換気扇もすべて消してまったくの無音の状態でお持ち帰りしたご本たちのページをめくった。どこを開いても柄丑が出てくる、柄丑がいる、そこに、生きている。きのうさせて頂いたお話の余韻もからだの深部にしっかりと残っていて、それが内側で響いている。全身がじいんと痺れるようで、ちからが抜けるようで、現実感がないのに今はちゃんと現実。往来は祝日の静かな朝。午後になれば私は実家に帰る。 BLはファンタジーっていうかSF(すこし、ふしぎ)っていうかそういうのなんだろうけど、柄丑はほんとうにほんとうにほんとうに、現実にいる気がする。この世のどこかで息づいて生きている気がする。たぶんきっとどこかで。そういう気持ちにさせるちからがある。つよい。 イベント、死ぬほど楽しかったからまた行きたいし、せっかくなら自分でも何かしらを出したいと思いました。2日あれば日帰りで行って戻れるってのもわかったので。 幸福すぎて、死。 PR