光たち Category:murmur Date:2014年10月19日 すこやかな人間というのはみていて安心するのだなとある人をみていて思う。来るもの拒まず、去るもの追わず、自分がよいと思ったものを疑わず、ものごとへの執着がなく、触れてくるものを疵つけない物わかりのよさと要領のよさ、物腰のやわらかさ、いやになった時にいやであるという気持ちにすなおにまっとうに従い、みずから切り離せる、つよさ(みたいなもの)。そういうものを持てれば人間として生きるのに足りないものなんてないなと思う。生きるのに向いてる。俺にはできない。---川上未映子の『すべて真夜中の恋人たち』という小説が、文庫になったよ、と新聞で知り、本屋さんいって買ってきました。夕べすこし読みました。自分にとって必要なものは、必要と思った時に、自然と手に落ちてくるものなのだなとあらためて思いました。もう、どきどきしてたまらんかった。いいたいことぜんぶいってくれていた。私の頭の中でとっちらかっていた色々を、まとめてかたちにして、言葉にしてくれていた。そして帯で、おおたひかりが彼女の文章を「言葉の芸術」といっていました。その通りだと思い、私はむかし『乳と卵』を読んで、それ、まさにそれ、を言いたかったのだな。冬子がめちゃくちゃ孤独で、現代病…、とか思って、現代文学ってこういうことかと理解しつつある。文学の歴史とか変遷あれこれについて私は不勉強なので、漠然としたものでしかわからないのですが、要するに時代を反映してるってことか。音楽といっしょだな。表現者ってこういうことだな。きみに伝えたいことがあるんだ。詩人でも歌人でも小説家でも画家でも音楽家でも、アーティストってこういうこと。 PR