忍者ブログ

水とタバコ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


ラブ、

おことばを頂くと、いつも、嬉しさと感激と恐縮で心が震えます。私のような人間の書いたものが、どなたかの心に多少なり何かを残せたのかなあ、もしそうだとしたら、とんでもなく嬉しい。
いつも、嬉しい、ありがとうございます、以外にことばを見つけられなくて、心苦しいのですけど、
それ以上のことばをやはり私は知らないので、ばかみたいに嬉しい、ありがとうございますをくりかえすのです。すみません。ほんとうにほんとうに嬉しかった。泣きました。
おへんじを、させて頂きました。もしも届いていないということがありましたら、またご一報ください。
ほんとうにどうもありがとうございました!

拍手

PR

更新というか何というか

ちょっと、どうしようかなとも思ったんですけど、
pixivのほうに以前ブログで書いていた柄丑を上げてみました。
すこし修正もしましたが内容はおなじです。上げ直す意味とは。

すっかりインプットもアウトプットも下手糞になっちまって、一人で呻いてます。書きたいのに、書けない…怖い…まっ白なメモ帳をまえにぼんやりしてしまう……
驚くほど遅筆なんですけど書きたい柄丑何万通りもあるので、
ゆっくり昇華していければなあと思ってます。

いつもここを見てくださって、ほんとうにありがとうございます…

拍手


アイ、ラブユーフォーエバー

愛してるんですよといえば、冗談、とあなたは笑うんだろうか。5月だというのにうす寒い朝、外は春の雨が降って僕は部屋で一人ぼっちなんです、せつじつな人のせつじつな歌をずっとずっと聴いています。

私の何もかもは勝手なので、勝手でも何でも想うだけなら自由だからきれいだからゆるしてほしい。時に想いの丈を吐き出したくてばかみたいに長い長いおたよりを書いてしまったりしてその都度猛省するんだけど、衝動は抑えが利かないからおそろしい。愛してるんですよといえば、冗談、と笑われてしまうような内容の、でもこちらとしては本気の想いをこめての長い長いラブ・レター。

まいにちまいにち働いて家賃光熱費税金その他の生活を維持するための金を払い、それでもって命をあしたに繋いで繋いで繋いで繋いで、津村記久子の「ポトスライムの舟」での一文をふと思いだす。“維持して、それからどうなるんやろうなあ。わたしなんかが、生活を維持して。”
生活の中にかすかな潤いを求めておとこのこ同士のらぶを見たり書いたりしているけれど、生活と生活の隙間で垣間見る彼らはどうしたっていとおしいし幸せになってくれ、頼む、といった気持ちで心からそれを願っていて、私は、ほんとうにいつまでもこんな調子なのかな?と思ったりもする。思考の片っ隅で生活のことを考えながら8割くらいはそんなことでいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい、正直それ以外のことは考えたくなかったりもするのだけれどそうはいかないから生きるのがくるしい。

仕事どうしようかなあとか諸々の税金高いなあとか、だんだん、それなりに、年相応の思考に変わってはきたけれど、根本的にはいつまでも変われないまま誰かに何かに片想いしてる。
あなたが今どこにいるのかもわからないし何をしてるのかも断片的にしか知れないのがとてもさびしい。
正直私はぜんぜん何もできてやいないしまるで立派でもないし生活は廃れているし地味だし何一つとしてなし遂げられていなくて、生きてることが恥ずかしいんだけど、ずっとずっと永遠に片想いしていますので、これはずっとなので、なぜだか、忘れられずにいるんです。

拍手


柄丑の朝

柄丑のある朝のはなし。




 せっかくひらいた瞼を再度閉じれば、昨夜の面影が記憶の底から浮かび上がってくる。記憶は海のようなもので、丑嶋はその浅瀬に足を浸らせて、寄せては引いていく波をゆったりと触覚する。波が臑を撫ぜるたびに連れてくるのは昨夜の体温と呼吸、そして執拗に、しかし飽くまで優しく触れてくる柄崎の指の動きだ。すべてが絡まり一つになって、丑嶋の全身をやわらかくつつむ。幸福という概念が存在しうるのなら、きっとこのことだ。そう、丑嶋は思い、またそろそろと瞼を持ち上げる。吐息が頬に触れる。文字通りの目と鼻の先で、柄崎が間の抜けた顔で眠っていた。
 ――狭ェな、
 一人で眠るために購入したセミダブルのベッドは、体格のよい男ふたりが眠るにはだいぶと狭く、丑嶋は心中で舌打ちを洩らす。めのまえですうすうと寝息を立てている柄崎を蹴落としてやりたい衝動に駆られたが、実行はせず、横柄に頭を掻くと丑嶋はそっとベッドから脱け出た。ひどく咽が渇いている。唾を飲みこみ、床に脱ぎ捨てた下着を身につけてから、カーテンをほそく開ける。日曜の朝は静謐に沈んでいて、時折り、タクシーが通り過ぎていくだけで往来はまだ眠っている。きっとまだベッドにいても構わないのだろうが、朝寝を貪る習慣のない丑嶋にはそれができなかった。
 くちびるにそっと指先を添わせてみても、そこはふだん通りの自分のくちびるがあり、自分一人だけの体温があり、昨夜、散々食んできた柄崎のぬくもりはすっかりと消え失せていることに僅かばかり躊躇った。そしてそんな自分に驚く。躊躇った自分にたいして、狼狽する。
 馨さん――、耳の奥、鼓膜に響くのは昨夜の柄崎の声で、彼は呻くようになんどもなんども丑嶋を呼んだ。せつなげな声がくちから洩れるたびに肌はカッと熱を帯び、全身に血が駆け廻る。セックスをする時にはいつも、柄崎はふだんにも増して丑嶋を呼ぶ。まるで名を呼ばなければ丑嶋が消えてしまうとでも思っているかのようなせつじつさで、馨さん、と、こぼす。くちびるの輪郭を舌先でたどり、粘膜と粘膜を絡ませて、舌を咥内に忍ばせていく柄崎の動きは性急で、しかしその性急さが丑嶋にはみょうにいとしかった。
 窓の向こうの空はうすい雲がかかっており、そのあわいから淡い光が街に落ちていた。雨は降りそうにないが、晴れることもなさそうな複雑な空模様だ。きょうは日曜日で、外出する予定もないから天気などどうだってよかったのだが、平日に降られる雨は鬱陶しくて丑嶋は嫌っていた。
 あくびを一つ、洩らし、首をおおきく廻すと、丑嶋は寝室を出て洗面所へ向かう。シャワーを浴びるかどうか迷い、鏡に映った自分に視線を合わせてみると、首もとに散らばったいくつもの鬱血の赤が目に入った。なんどめかの舌打ちがこぼれる。指のひらでそこをなぞり、顔だけを洗って洗面所を出た。
 ひんやりとした床を踏み、キッチンに入ると、まっ先に薬缶に水を入れてコンロの火にかけた。湯が湧くまでのあいだ、丑嶋はリビングからつづくヴェランダに出て煙草を一本、吸った。すこしずつ光度を増していく世界に目を眇め、煙で肺を満たせば、次第に昨夜の残り香が薄れていくのを感じた。ふいに焦燥をおぼえたが、それもやがては紫煙に紛れ、霧散する。
 抱きあって寝て起きてしまえば、昨夜の何もかもが夢だったのではないかという錯覚に陥る。どれだけキスをし、セックスをしても、朝になれば待ちうけている現実に厭でも身を浸さなければならない。日常に戻りたくないなどと思ったことはないが、夕べの名残りを惜しむ程度には丑嶋もただの人である。
 柄崎。煙とともに、くちびるから洩れ出た名前に痛みをおぼえて、丑嶋は煙草を灰皿に押しつけると、すう、と、おおきく息を吸いこんだ。
 キッチンに戻れば薬缶からはしゅんしゅんと湯気が洩れ、あたたかな空気がへやに満ちていた。マグカップにインスタントのコーヒー粉を入れ、湯を注ぐ。出来上がった黒い液体をひとくち、啜った。今時はコンビニでも百円払えばドリップされたコーヒーが飲め、コーヒーメイカーなどできちんと抽出したもののほうが美味しいとわかっているのだが、自分の飲むもの、食べるものにそこまでこだわりのない丑嶋にとってはインスタントのコーヒーでもじゅうぶんに満たされる。それに、と、丑嶋は心中でぼそりと呟いた。家に常備しているメーカーのインスタントコーヒーは、柄崎がすきなのだ。
 壁掛け時計を見あげると、まだ朝の六時前だ。からだの奥がじいんと痺れるような、あまい気だるさに目を閉じると、昨夜の出来事が淡い輪郭となって甦ってくる。手を伸ばせば掴めそうで、それはけっして掴めないもう過去のものだ。理解しているし、過去を振り返ったり懐かしむ行為を丑嶋は嫌悪しているため、すぐに目を開けて眼鏡越しの現実をみつめる。自宅のキッチン、薬缶を置いたコンロ、踏んでいるのはこの季節にしてはいくぶんつめたいフローリングの床。
 カップを流しに置くと、丑嶋はキッチンを出、柄崎の寝ている寝室に戻る。彼はまるで子どものように邪気のない顔で眠りこけ、隣にいた丑嶋の姿を探すようにときおり手を伸ばしてはシーツを撫ぜる。薄暗いへやに、セミダブルのベッド。丑嶋の寝室は簡潔で、無駄なものがない。寝室は眠るためのへやで、ベッドと時計があればほかは必要がなかった。そんなへやに、今は他人が――柄崎がいて、床には脱ぎ捨てられた服や下着が散らばっている不思議を思う。丑嶋はそれらを踏みつけながら柄崎の隣に身を横たえた。
 ギ、と、ベッドが軋む。すぐ側で、柄崎が咽を鳴らす気配を感じる。起きるな、と、思った次の瞬間には、「しゃちょう」、柄崎が掠れた声を放った。
「起きてたンすか」
 彼のほうは見ず、丑嶋は無言で手を瞑る。
「寝てた」
「はは。……起きてたでしょう」
 そうして、おおきな欠伸を洩らす。柄崎は目を擦って、タオルケットを引き上げると、手を伸ばし丑嶋の耳朶にそっと触れた。
「おはようございます」
 とろんとした調子で言うのに、丑嶋はああ、と素っ気なく応えた。彼はまだ昨夜のつづきにいるのだと、声の調子でわかった。触れてくる指の動きも、こぼす声のトーンも、やわらかく優しく、いとしげで、それを振り払うことの出来ない自分もまた、昨夜の名残りにきっと脳が溶けている。煙草を吸い、コーヒーも飲んだというのに、まだ現実に戻りきれていない自分に嫌気をおぼえつつも、今のこの心地好さをもうすこしだけ味わっていたい気持ちもあるのだった。
 視線を流せば、寝起きの無防備な表情を見せる柄崎の顔がそこにある。ぶすだな。丑嶋は思い、同時に、こそばゆさに胸が疼いた。
 肘でからだを支えて上体を持ち上げると、柄崎のくちびるに触れるだけのくちづけを落とす。柄崎の咽が音を立てるのを聞いたが、構わずにくちづけを深めていけば、やがて柄崎の舌が丑嶋の咥内に這入りこみ、歯列をなぞっていく。
 柄崎の手が丑嶋のシャツの裾をぎゅうと握り、からだのラインを辿りながらわき腹を撫でる。シャツ越しに、熱い手のひらを触覚する。昨夜の火照りを残したからだは従順に丑嶋を求め、肩甲骨に到達した指が丑嶋をつよく抱きよせてきた。
「かっ、馨さん、」
 キスのあいまにこぼれた声は、湿っぽく熱を帯びており、丑嶋は顔を離すと柄崎の瞳をじいと見つめる。名を呼ぶのは、ふたりきりの時だけだ。雇い主と従業員という関係が崩れ意味を為さなくなった時、柄崎は丑嶋を下の名前で呼ぶ。その瞬間だけ、丑嶋はただの一人の男になる。裏社会で生きるウシジマ社長ではなく、丑嶋馨というただの人間に戻れる。
「……うぜぇよ、柄崎」
 柄崎の頬を両手に挟み、そう放つと、彼はちからなく笑った。
「えぇえ……ここまできて……?」
 だめっすか? だめ。どうしても? どうしても。唾液でぬらぬらと光る柄崎のくちびるを舐め、丑嶋は彼からからだを離した。ぱたりとシーツの上に落ちた柄崎の手を一瞥し、そうして、ベッドを出る。
 まだ開けていないカーテンの向こうには、すでに朝が始まっている。
「……社長と朝にもっかいヤりたかった……」
 ベッドの中でもぞもぞと呟く柄崎を無表情で見やり、丑嶋は散らばっていた服と下着を彼に向かって放った。
「腹減った」
「あ、……俺、何か作りますよ!」
 柄崎はからだを起こし、下着を掴んだ態でふにゃと相貌を崩す。おー、と、丑嶋は返事をして、カーテンを開ける。うす曇りの空はあいかわらずだったが、いくぶんかあかるさを増した世界がそこにはあった。
「兎の様子見てくるわ」
「馨さんっ」
 ドアに向かって歩きはじめた丑嶋の背中に、柄崎の声が投げられた。足が止まる。振り返ると、ベッドの上で、未だ上半身は裸のままの柄崎がこちらをじいと見つめていた。頬が赤い。表情はどこかくるしげに歪んでいて、しかし笑顔を隠しきれないといった様子の彼の表情は、ひどく複雑なものだった。
 既になんどめになるかわからない舌打ちをして、丑嶋はへやを出た。鼓膜に残る柄崎の声が、その声が紡ぐ自分の名前が、ひどくあまったるく感覚を刺激して、気づけば頬から耳にかけて赤く染まっていた。

拍手


柄丑がすべての光すぎてもはや何がただしい現実なのかわからない。生活といういわゆる現実に彼らが食いこみすぎて彼らを掴みたくて掴みたくて手探りをしている。むしろ私の生きているこちらのほうが幻想/夢の世界なのじゃないか?と思いながらの生活。くるしいしつらいし不安でいっぱいの胸は毎日毎日バクバクといって、呼吸ができなくなるような足もとがおぼつかないようなそんな焦燥。
5/3に17時間だけ東京にいて、トーキョー、なるほどねって思ったことたくさんある。空気、電車の音、路地裏、高層ビルの隙間から覘くうす水色の空、様々な人たち、古い喫茶店、金色、茶色、灰色、すべてトーキョーの気配。みんながトーキョーに憧れを抱くのがよくわかる、なるほどね。あれだけの刺激があるまちにいれば地方は、なるほどたしかにまるで物足りない。過去に東京で暮らしてたことがあったけれどあの当時の私もたしかに東京というまちに何かしらの期待を抱いていた。けっきょくは何もできずに戻ってきて、今は地方で生活をしていて、ふとした時に当時のことを懐かしむだけの日々。あの頃のことは正直あまり思いだしたくはない。楽しかったけれど、無力感ばかり感じてたので。

話が逸れた。
東京のまち、そこかしこに柄丑の気配を感じた。あの道路を渡ったかもしれないしあのコンビニに入ったかもしれないしあのコインパーキングに車を停めたかもしれない。かなしい妄想なのは重々承知しているんだけど彼らが、あのまちのどこかで生きて息づいている気がしてならなくて、私はその都度立ち止まる。あのまちのどこかで、あのまちのどこかで、あのまちのどこかできっと彼らは生きて、生活しているのだなあ、としみじみ思い、同時に、けっしてすれ違わないのだという現実に胸がすうーっと痛む。彼はどこかで生きているけれど、どこにもいない。

去年の春頃、丑嶋馨さんが現実にいないという事実がかなしすぎてわあわあ泣いたことがあったけれど、あの感覚がようやく落ち着いたと思ったのに、上京したおかげでまたぶり返して、地元に戻ってきてからの焦燥がひどくて軽い鬱に陥り、もう無理な状態で生きてる。
“生きててよかった”ってフラワーカンパニーズが「深夜高速」でうたっているのを聴きながらこれを書いているのだけど、生きててよかったって思うのと同時に、この状態で生きてくの…?ほんとうに…?どう足掻いても彼らは現実にはいないのに…?という思いがせめぎあって精神がめちゃくちゃ。

かなしいのであんまり考えないようにしたい。先日買ったご本をへやに飾った。表紙が見えるようにして本棚に、ぎゅうぎゅうなので次の休みにはちゃんと体裁をととのえてスペースをこしらえたいななどと考えている。あのご本たちは家宝、死んだ時に棺桶に入れて頂きたい。同人誌っていいな、イベントに行かれる機会がなかったからあんまり買ったことがなかったけれど、やっぱり愛の物質を、手もとに置いておかれるというのは素晴らしい。


柄丑の朝が見たい。彼らの朝はどんなんだろう。たとえばおなじベッドで眠って先に起きるのはきっと馨さんのほう、馨さんチの寝室は八畳くらいの洋室でベッドはセミダブルで、体格のよい男二人がねむるにはすこし狭いけれど身を寄せ合ってねむれば狭さは、さほど気にならない。先に起きた馨さんはまずカーテンをほそく開けて空のようすをみて、彼は晴れだろうが曇りだろうがどうだってよいんだけど雨だったらすこし眉を顰める。雨の日の運転は億劫なので。それから振り返ってベッドの上でまぬけな顔でねむる貴明さんをみやって、なんともいえない気持ちになる。せつないような胸のすくような思い、でもらしくないので見て見ぬふりをする。抱きあって寝て起きれば彼はいつものウシジマくんに戻るので、みょうな感傷や不安感にさいなまれたりしてはいけない。貴明さんを置いて彼はへやを出る。キッチンで珈琲を淹れて、そのあいだにベランダに出て煙草を吸うかもしれない。空はうす灰色の雲がかかって、そのあわいから淡い光が落ちてる。時間はまだ早い。ベッドにいても構わないくらいの早朝の時間帯、貴明さんが起きてくるまであと一時間くらいはかかる。

拍手