* Category:murmur Date:2014年11月07日 小説を一つ読み終えました。夜ごと寒くなってゆくへやで布団にもぐって、青白いあかりの下でゆっくりと読み進めていた。読みやすくて面白くて、読んだ!っていう充足感はあれど、いまいち腑に落ちなくて、最後の最後で「……?」となって、これ、私の好みじゃないかもなあと思いながらさいごのページを綴じた。好みじゃないかもとゆうのも一つの感想だからそれはいいんだけど、それはいいんだけど、もしこれを、今よりもっと若い頃に読んでいたら、ぜったいに傾倒してたんだろうなあとも思い、私は私がとてもふけた気持ちになってすこしせつなかった。さいきんはほんとうに、新しいものがだめになって、もともと流行などには無頓着だったけれど、さいきんは、前すきだったあれこれへの執着がより強まって、固執して、ふるいCD引っ張り出してきてきいたり、棄てられないでいるあれこれを読んだり、していて、頑固で融通の利かぬおばあちゃんみたいな、そんなめんどうくさい人間に拍車がかかっていて、どうも、だめですネ。しかしちょい前に身内とそうゆう話をして、でもそれは、年をとっただけでなくて、世の中の物事がもう出され尽くしたところもあるからだ。みたいなそんなありふれた意見の一致を得、言葉にしあったことですこし心強くもなった。物事は、言葉も音も、有限なんだなあとゆうことを今さらながらに思う。それはもうつくづく思う。無限なのは想いの強さだけで、けれどそんなのも、いつかは限度いっぱいにまでみちるのかもしれない。本も、音楽も、そこにある言葉の本質も、じつは有限なんだけど、でも若い人がはじめて読んだりきいたりするそれらはまちがいなくはじめての何ものかで、だから若いうちからいっぱい本は読むべきだし音楽はきくべきだと思うのだ。今より若い頃にであいたかったなんて思ってももう仕様がないのでせめて、私のこういったばかげた感傷をぬけだせたあとにもういちど読みたいです。 PR