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水とタバコ

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不良とは、優しさの事ではないかしら。

私、いわゆる不良モノといわれる漫画がすきなんですけど、漫画でも小説でも映画でも音楽でも、思えばずっとずっとそういうものばかりをこのんで読んできたような気がするんですけど、何でだろうかとふと思えば、
思考が閉塞しているから、閉塞感に包まれた人たちがそこで生きて、息をして、途方もない長い時間をかけて脱却していく みたいなストーリーがすきで、たぶん、そんなようなものがすきで、それは私自身の希求&願望でもあって、きっと、だからそういうものに魅かれちゃうのかな。
という答えに考え至った。ああそうか、そうか~~~と、思った。昨夜の話。

不良、若さの特権。ばからしいと嘲笑われて、役立たずと罵られて、最低と人に言われて、要領よく演技できず、愛想笑いも作れない、そんなロクデナシが、なんだかたまらなくいとしいんだよな。ろくブルの波がまた来てくれてから、いわゆる“不良”と呼ばれる人たちの、二次元限定ですけど、そんなことばかり考えている。

私自身は不良とは無縁の生を生きてるから、足掻いてもがいて自分の今いる現実から脱け出そうと必死な彼らが、羨ましくていとしくて仕様がないんです。私もそうありたかったなと思うんです。
太宰治の『斜陽』にある一文が思いだされる。

不良でない人間があるだろうか、とあのノートブックに書かれていたけれども、そう言われてみると、私だって不良、叔父さまも不良、お母さまだって、不良みたいに思われて来る。不良とは、優しさの事ではないかしら。

私、不良が好きなの。それも、札つきの不良が、すきなの。そうして私も、札つきの不良になりたいの。そうするよりほかに、私の生きかたが、無いような気がするの。あなたは、日本で一ばんの、札つきの不良でしょう。そうして、このごろはまた、たくさんのひとが、あなたを、きたならしい、けがらわしい、と言って、ひどく憎んで攻撃しているとか、弟から聞いて、いよいよあなたを好きになりました。

これを読んだのはずいぶん若い頃でしたけど、あれは電車の中でだったかしら、心を救われたような気分になったんでした。なぜ、なぜ、救われた気持ちになったのか、あの時はわからなかったけれど。

不良とは、優しさの事ではないかしら。

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