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水とタバコ

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かなしみ

いわゆる“よいもの”をつくる人は、あらゆる物事を寛容に受け容れられたのしめる人か、圧倒的なかなしみに暮れている人かのどちらかしかなく、その二つともを具えていられれば怖いものなしなんだろうけどそんな人間そうそういなくてどちらかが具わっていればまあラッキーくらいの心もとないものなのかもしれない。そして前者でも後者でもその具わったものというのは一生のもので一生纏っていざるをえない脱げない鎧で、前者が一生をかけてすべての物事を寛容に受け容れたのしんでいるいっぽう後者は一生しぬまで圧倒的なかなしみに暮れているほかないんです。むしろ圧倒的なかなしみに暮れなくなってしまえばもうそこで終わりなんです。圧倒的なかなしみから解放されてしまえばその人はもうかつての“よいもの”をつくったその人ではなく、だからその鎧はけっして脱いではいけない呪。

「幸せになってはいけないよ、笑っていてはいけないよ、泣いていなければいけないよ。一生そのかなしみを脱いではいけないよ。」

誰かが囁くからきっと一生幸せにはなれない人がいるということ。


そんなかなしみに暮れている。

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