忍者ブログ

水とタバコ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

#ヒプノシスタンカ

twitterでぽろぽろこぼしてる #ヒプノシスタンカ をこちらにも。


 ・・・


立ち止まり夕餉について思うときまなうらにふたつの影ひそみあり
テーブルの木目を睨み唇を閉ざしおなじ食卓につく
洗いたてのテーブルクロスのひかりをなぞり ねぇ、プリンはまだなの
あたたかな愛だなんだとわらってもレタスはなおもやさしくひかり
角砂糖一つ入れた珈琲の苦みを飲み干し大人になる
クリームをすくって差し出す指さきはあまくてやわい抱擁に似て
バースディケーキのかけらが残ってる甘さに舌が痺れて、朝

「あたたかな愛だ」(ばすぶろ)



カーテンの襞が波うつ雲は割れ耳に響く休日ダイヤ
「行く?」「行くよ」(じゃ、また)そんな、単純構造でないおまえの頭
安眠のさなかのゆめを覗き見る己の頸にかけた手のひら
引き留めてくれるのかと問われ立ち竦む引き留めないよきみの自由だ

(どっぽとひふみ)


永遠を約束されし横顔の白布が似合うラインはほつれ
永遠を約束しても「えーえん」と言う舌にもう溶けない薬
永遠を“とわ”と読んだりなんて気障身の丈を知る昏い夜明けだ
永遠を苗床にして闇を喰う骨は残して瓶詰めにして

「えいえん」(先生とらむだ)


Yシャツの皺が一本増えているアイロンは今朝かけておいたよ
きんいろの海が見たいというきみをしゅいろに染めたネオンを探し
ひとりでも歩けるよ、だから、の先はまつ毛のふちが語るさみしさ

(ひふみとどっぽ)


遠雷が泣かせた鳥は影となりゆめに重なるうつし世でまた
雨樋を伝う水が土を蹴る 裾翻り染みを残して
とんとんと落ちる帳に竜胆のこうべ傾きあわいに溶ける
天に向け指を翳したおまじない変われもしない笑みを憐れむ
有限を無限と統べる愚鈍さを夜闇に隠し愛撫した夏

「あめ/よる/あめ」(先生とらむだ)


#カワイイ ですぐきみのもと僕の魔法にかかってくれる?
指先の熱がさめない誰のせいでもなくきっとおまえが憎い
この夜につめを立てたらひらかれた呪いみたいな朝焼けだろう
嘴を括って舌を切り落とす 愛のようだね(嘘だと言って)
数秒ののちこの夜を屠殺する 鈴は転がりただ りん、と鳴く
古き良き書の背をなぞるように生き、頁を捲るように過ぎ往く

(ぽっせ)


罅割れた世界の淵につま先を浸してむしろ見世物になる
絡みつく蔦と花の芽摘み取ってそして優しく殺めてほしい
踏切の音が渦巻く耳もとで快速は往き残された影

(どっぽ)


マーブルがまつ毛の上で踊ってるレイヤー不要斜めにキメて
賽を振るみたいに飴を転がして 言うこと聞いて? きみには薄荷
さいこうのおもちゃがぶきなんてさいこうあそびつづけてむてきになるよ

(らむだ)


ガーネットのまなこ喰らい暗闇の目隠し鬼に気づけぬのなら
まばたきのあわいを埋める彩りの世界はやがて白から青へ
ゆるやかな星座をなぞり名をさがす夜明けの鳥はどこかへきえた

(ばすぶろ)

拍手

PR